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それいけ!ドンくん
それいけ!ドンくん

筆者:ドンくん (FTM/20歳)
大学1年の時に性同一性障害の人と出会ったことで、今まで逃げていた『自分自身と向き合うこと』を始めて早2年。
大学3年となった今、就職活動の真っ最中!男として働きたい、何度も諦めそうになった夢を求めて
悩みながら、泣きながら、それでもネクタイ締めて説明会に参加する、そんな僕の凸凹就活体験記です!
<目次>

恩返しすることを誓います

今日は、会社の中期計画を発表しあう大切な会が開かれる日でした。全社員、200人近くがホテルを貸しきって、今後の方針などを発表しあうのです。その会に僕を含め内定者が10人以上呼ばれ、大事な会が終わった後の懇親会で全社員に紹介されることになりました。
人事の人と、ここでみんなに説明しようと前々から決めていました。内定者の子達と会うのも初めてで、どんな反応をされるか、僕はものすごく緊張していました。
 
懇親会が始まり、司会の方が「内定者のみなさん、自己紹介をお願いします!」と言いました。そして、僕を含め内定者が壇上にあがりマイクを渡されました。みんな、出身地やあだ名などを言って会場を笑わせていました。そして僕にマイクが回ってきました。

みんなの前に出て、スポットライトが眩しく僕に当たりました。僕は人事の方のほうを見ました。ここで、まず人事の方に説明をお願いしていたのです。

「まず、私から皆さんに説明させて下さい。どん君は、戸籍上は女性ですが、会社としては男性として受け入れていくつもりなので、みなさんそのつもりでよろしくお願いします・・。」
人事の方がそういうと、会場がざわめきました。僕はちょっと下を向いてしまいました。すると、以前本社で僕の世話役をしてくれたかっこいい社員さんが、「どん!!」と僕の名前を笑って呼んでくれました。その声で、一気に笑顔を取り戻し緊張の解けた僕は、眩しく光るスポットライトをまっすぐ見つめなおし、「今回、このような場所で皆様にお会いできたこと、本当に感謝しています。ご紹介にあずかりましたように、皆さんの分かりやすい言葉で言うと、私は性同一性障害を持って生まれました。けれど、私はこれから男として堂々と生きるつもりです。私の事情を知りながら、私を選んで下さった社長を含め、社員の方々に、そして私をここまで導いてくれた多くの出会い、縁に感謝すると共に、きっと必ず大きな人間になって、恩返しすることを誓います!どうぞよろしくお願いします!!」

お酒も入って、ざわめきついていた会場が、しんっと静かになり、みなさんが僕の話を聞いて下さっていました。深々とお辞儀をすると、みんなが拍手をくれました。顔を上げると僕に拍手をくれる副社長の姿が正面に見えました。

そして、振り返って自分の立ち位置に戻ろうとすると、内定者の子達が「どん君、かっこいいよ!かっこよかったよ!」「流れを全部持っていかれた~」「一番目立ってた!!」と笑って僕に言ってくれました。緊張して真っ赤な顔は、もう突っ張ったままでしたけど、僕は精一杯の笑顔をしたと思います。こうして僕の自己紹介は終わりました。
 
これからは、社会人として仕事を精一杯にこなす、それだけです。会社は僕を受け入れてくれました。僕にチャンスをくれました。だから、僕はそれに応える為に一生懸命頑張ろうと思っています。

涙で始まった就職活動でした。泣いてばかりの就職活動でした。そして、最後もやっぱり涙でした。嬉しい、嬉しい涙で終わりました。

そして、これからまた始まります。サラリーマンとして、男として、一人前になれるよう頑張ります!

- 完 -


ここまで読んでくださった皆さん、コメントやメッセージをくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました。就活記は今回を持って終了となりますが、今後もコメントやメッセージ等、受け付けていますので気軽に送っていただけると嬉しいです。ありがとうございました。

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