それいけ!ドンくん

それいけ!ドンくん 読者メッセージ2

Time- 1:36 Year-2009 投稿者:gidmedia
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初めまして。大阪在住のFTMです。
「それいけ!ドンくん」いつも読ませていただいてます。

自分自身も現在大学4回生、福祉施設(知的障害者施設)で働きたくて就職活動している最中です。

「周囲の無理解や社会の偏った固定概念が障害をより障害にしている」
「障害があったって同じ人間。人を一方向からだけ見ていてはその人のよさや本当の思いに気づけない」
のような考えをもとに、知的障害者の支援がしたくて採用試験いくつか受けています。

中には、軽い身体介護(必要な体力は男女でそんなに差はない)を伴う施設もあるので、「自分は気持ちは男だが、まだ外見はどちらにも見えることは自覚している。できれば男性として働きたいが、身体介護を受ける利用者を戸惑わせる、不快な思いをさせることはしたくないので、女性介護側に回ってもいい。もしも逆にそれが却って不自然な場合は男性介護側にしてもらいたい。」といったことを伝えています。

社会で生きていくためには自分の主張ばかりでなく、折り合いつけていかなければならないこともたくさんあると思いますが、どこまでを貫き通すのかといったバランスに今悩んでいます。

現に、カミングアウトした施設は落ちました。自分では、落ちた理由はFTMだからではないと思います。筆記試験の出来がよくなかったのかもしれないし、面接で「こいつはうちのやり方とは合わない」等思われたのかなと思います。

しかし、この結果に自分をよく知る大学の教授や友人がすごく憤慨してくれています。
「学力や人柄的に落ちるわけがない。性別で差別されてるんじゃないか!?」と。

自分という存在をここまで評価してくれる人がいることは本当に有り難いのですが、今回は性別が理由じゃない、むしろ他に自分に悪い部分があったと思いたいんです。けれど、周りの意見を聞いていると、やっぱり社会って性別で見られるのかな...と不安になってしまうことも多々あります。

でも、ドンくんが頑張っている姿を聞いていると、やっぱり要は自分の頑張り次第でいくらでも変えられるはず!と思います。

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はじめまして!
自分は今大学三回生の○○といいます。
まだカウンセリングも受けておらず、FTMであるという確証はないのですが、幼いころから自分が女であることに違和感があり、どうして男じゃないのだろう?と思っていました。
まだ、誰にもカミングアウトもできておらず、付き合ってる彼女にはかろうじて言った程度です。周りの友達も察しているのかはわかりませんが、カウンセリングを受けるべきか、友達にカミングアウトすべきかもまだわからないです。わからないというより、怖くて仕方ないのかもしれません。家族にも言えてないし、友達に言うよりももっと辛いと思います。

このように、僕はずっと自分のことに逃げてきました。自分が女であるということが受け止められずに逃げてきました。けれど、受け入れなければならないときが来たように感じます。それは「就職活動」です。ぼくはこの就活を考えただけで憂鬱な気持ちになります。
そんな中、僕はネットで偶然めぐりあった「それいけ!ドンくん」の就活体験を拝見させていただきました。僕と同じようなことで悩んでる人がいる、一人じゃないんだ、と頑張っているドンくんの姿を見ると僕も頑張らなくちゃと元気がわいてきました。

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初めまして。今日初めてこのサイトを見ました。
私は体が女で自分では男だと思ってます。性同一性障害まではいかないのですが、中学生なので、辛い事がたくさんあります。

同じようにがんばっているドンくんの日記を見て、「自分も少しがんばらないと」って思いました。恋愛もできないし、制服も女子なんでとってもいやです。でも先生方にはあまり迷惑をかけたくないので、今後は自分で考えようと思いました。でも、それもそれでつらいです。今日このサイトみて、自分だけがつらい思いをしてるわけじゃないことを知ることができて良かったです。これからも拝見します。

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ドンくんの就活日記をいつも見ています。

今4年制大学に通っている大学3年生です。今年就活があります。

ドンくんとは少し違うかもしれませんが、私はFTM寄りでまだ自分の性がよくわかっていません。(ただ精神的には女ではないと思っています。)そんな中途半端な状態なため、就活のことに大いに悩んでいます。

もし同じような境遇の方とお話できるような機会がもてるようなことができたらとてもうれしく思います。

ドンくんの就活を応援しています!!

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すごい勇気付けられました!!!!!

今17歳なんですが、自分と同じ悩みを抱えてる人がこんなにも頑張ってるんだと知って、先ずは勇気を出して友達に言いました(>_<)

これからもドンくんを応援したいし、自分も頑張りたいです!!

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ドンくんの対談を聞いてドンくんに一歩近づけたって感じました。
ドンくんは親に自分の事について話をしていますが、私はまだ親に自分の事を話してません。
なので勇気を出して話してみようと思います!!
たとえどうなったとしても言ったことは後に繋がると思うので(>_<)

ドンくんの対談とても良かったです。
また機会があれば聞きたいって思いました!!!

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自分もFTMなのですが、今、医学部の大学2年生です。
将来的に男として働きたいなと考えていますが、なかなか周りにカミングアウトする勇気がありません。
声は低いので喋ってても女だとばれることは滅多にありませんが、身長が151しかなくて、しかも童顔なのでどうしても中学生の男の子に見られてしまいます。せめて160あれば...といつも思ってしまいます。

この日記をどきどきしながら一気に読み終えました。
まず、途中から大学でカミングアウトしたのもすごいなと思いました。
それに、就職活動でもめちゃくちゃ頑張ってるなと。

世の中、自分が思ってるほどセクマイに対して嫌悪感を持ってるわけじゃないんですかね。どうしても引け目を感じてしまいます。
本名を書くとき、性別欄に○をするとき...いつも迷います。だけど、なんか嘘を吐くことができなくて、戸籍上の名前を書き、性別に丸します。

自分の望む性別で生活している人を見ると、その人は男っぽいから...と自分を正当化してしまいますが、その人たちは自分がしてない努力をかなりされてるんですよね。
どこまで実践できるかわかりませんが、自分も頑張ってみようと思えました。ありがとうございます。頑張ってください!

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涙しながら読ませて頂きました。僕には無かったドン君の勇気そして自分自身をしっかり持っていらしゃる所、これからの僕自身への励みになりました!ありがとうございます。

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多くの会社は(特殊な業種でない限り)別に男の子を採りたいとか女の子を採りたいとかあまり考えてないと思います。そういうことはたぶんどちらでもよくて、会社のためになる仕事をちゃんとしてくれる人が欲しいんですよね。これは前に自分が会社の人にいわれたことなどから感じていたことなのですが、このブログを拝見してほかの会社も同じなのかなと思いまして、少し嬉しくなりました。

でも現実として、(たぶんこれは仕事というより人間関係の話だと思いますが)性別によって扱いなどがわけられてしまうということはやはりあると思います。性別による差別・区別は無意識にしてしまうことなので、どうしても避けられない部分はあるのではないでしょうか?わたし自身そういうことで嫌な思いをすることは多々あるので、それはしないようにしようと常々思っているのですが、それでもたまに無意識にそういう考えにとらわれている自分に気付きます。血液型性格診断と同じようなものといえばわかりやすいでしょうか?A型の特徴といわれているものが必ずしもすべての人にあてはまらないのはわかっていても、よく知らない人を見るときにA型だからまじめな人なんだろうなとか思ってしまったりということがあります。こういうステレオタイプっていう言う方はさほど気にしていないにもかかわらず、言われた方は相当傷つくんですよね。

ただ、ステレオタイプはあくまでもステレオタイプで、自分のことを知ってもらえば別になんてことないのではないかということも最近思っています。言ってしまえば普通に「そうなんだ~。」で終わってしまったりすることも多いんではないかと思うんですよね。それから、(もちろん仕事やその他人間として最低限すべきことをしていることが前提ですが)自分に嘘をつかないで人と接していればわざわざカミングアウトみたいなことをしなくても「あの子はそういう子だよね。」っていう感じですんなりと受け入れてもらえるということもあると思います。わたしは結構そのような感じで、会社で自分らしく振舞えているように思います。

しかも、ドンくんの場合は男の子として就職なさるということなので、また事情は違うと思います。最新のブログではGIDであることを公表するかどうか決めていないということでしたが、どちらにしても最初から普通に人間関係を築けるのではないでしょうか。周りの人はきっと「男の子だよね。」って思って終わりなのではないかと思うのですが......。結婚でも考えてない限り、戸籍上の性別とかどうでもいいことですよね。それよりもご本人の性格やキャラクターの方が大事だと思います。その点、ブログを拝見している限りではまじめで人間性豊かな方なのではないかとお見受けしましたので問題なさそうな気がしていますが、いかがでしょう?もちろんご本人は入社後もGIDのことでお悩みになることもあると思いますけれど、きっと大きな問題はないのではないかと思います。

それより、GID以前に大学を卒業して社会で働くということで慣れない仕事自体への悩みが生じてくることもあるのではないかと思います。学生時代とは違っていろいろと責任も生じますし、厳しいこともたくさんあるかもしれません。わたしは就職して1年半ほどですが、まだまだ仕事で失敗することは多いですし、悩みは尽きません。もちろんドンくんの誠実な性格ならきっと大丈夫だと思いますが、お体に気をつけて頑張ってくださいね。特に仕事のこととGIDのことといろいろ重なってしまうと精神的につらいと思うので......。

ドンくんのこれからのご活躍をお祈りしております。機会があればドンくんに一度お会いしてみたいです。

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前もコメントさせてもらった17歳の高校生です。
久々にこの日記を見たら、もう大分更新されてる!!
と思い読んだら、ドンくんがもうとっくに就職してたことを知りました。ホントおめでとうございます。
社員の方にも認められていて、それだけドンくんが頑張っていたんだなーと思いました。
そして失礼だけど、この就職活動日記が終わってしまったんだなと知りました。寂しい気もしますが、今度は違う日記を書いてほしいです。だけど今は仕事の方を頑張って下さい。

話はかわりますが、この日記の最後の読者メッセージを読んで感動しましたこんなにもドンくんや自分と同じ人達がこの日記を読んでいたんだとびっくりし、メッセージを読んでFTMを隠さず、ドンくんのようにカミングアウトして就職活動を頑張っている人が中にもいて、凄く勇気づけられました!!自分が就職活動の時はカミングアウトしていきたいなと思いました
それではこれからもドンくんの活躍を応援していきたいです!!!

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※引き続き、感想・メッセージを受け付けています。感想を送っていただくと、数ヶ月に渡り連載を続けてくれたドンくんが泣いて喜びますので、ぜひメッセージをお寄せください^^

それいけ!ドンくん 読者メッセージ

Time- 1:25 Year-2009 投稿者:gidmedia
「それいけ!どんくん」連載中に読者から寄せられたメッセージです。

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ドンさんと同じく、私も現在就活中です。そして私も同じくFTMです。
就職は入学した時からの不安要素でした。
社会は私を受け入れてなどくれない。
そう思ったからこそ、私は大学でできる限りの努力をしようと考えました。
性別など関係なく、求められる人材になることを目指してきました。
今、私は自分に最も似合う男性用のスーツを着て就職活動を行っています。
存分に自己アピールをして内定を得てやる!という気合でいつも向かっています。
ドンさんも決して気持ちで負けずに、共に就職活動を乗り切りましょう!

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ドンくんの記事を読ませて頂きました。

私も今大学3年で就活中です。セクシュアリティはビアンです。

FTMと同性愛者だと悩みはまた全然違うとは思いますが、同じセクマイとしてなんだか勝手ながら共感をしたので思わずメールさせていただきました。

私は普段説明会に行く時はパンツスーツですが(寒いし)、「面接のときはスカートのほうが人事のおっちゃんにウケがいい」とかいう話を聞くと、相手の好みに合わせたほうがいいのかな~とかなんだか複雑な気分になります。
そしてそんな自分がちょっと嫌だったりします。

就活って、社会に出るための第一歩だから色々不安が大きいですよね。
ただでさえ不安や焦燥感があるのに、「セクマイ」ということで余計考えることが増えて不安が増します。

私もたまにRainbow Collegeなどで活動させてもらってますが、セクマイの認知度や権利獲得などを得るためには、まずは自分が一社会人として社会から認められなければ話に耳を傾けてもらえないし、説得力とかもあまり無いんだろうなと思います。

だから、就活ほんとに大変だけど社会人になるために一緒にがんばりましょう!

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初めまして。僕は新3年生のFTMです。
今年から就職活動が始まる身として不安がいっぱいですが、どんくんの奮闘日記を見て励まされると同時にアドバイスになっています!これからも応援しているので頑張ってください!いやっ、一緒に頑張りましょう!!!

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『どんくん、頑張って下さい』

俺はどんくんと同じFtMです。歳は16歳でまだ何もできません。カミングアウトが出来ないんです。

でも、歳は違うといえ立場がとても似てました。まだ餓鬼な俺がこんな事言うとどんくんに失礼かな・・・でも高2になり、就職活動が近くなってるんです。就職活動は制服です。社内でのカミングアウトも大変だと思います。首かも・・・。

まだたいして生きてない俺が言わなくてもどんくんはわかっていると思います。大変だと思うけど、自分をしっかり持って頑張ってほしい。GIDは仕事に支障ありませんからね(笑)

他にも辛い人は沢山いるはず。社会に出てない俺には想像がつかないような辛さが沢山あると思います。みんなに頑張ってほしい。諦めたり見失ったりしないで欲しい。世間が見れない俺にはまだわからないけど・・・偉そうにすいません。

スタッフの皆さんも活動ありがとうございます。俺と直接な関わりがなかったとしても、どんくんの様に助けられてる人はいます。

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『勇気が出ました』

僕も現在大学3年生のFtMです。
院に進学を考えていますが、今年は教育実習があり、
僕も今スーツのことで悩んでいます。

スーツを買うときも、どうしても言えないし、
何か誤解されては困るから、意識をオフにして
「ボーイッシュな女の子で通るようにしよう」と、公の場では
自分をだましだまし生きてきました。

でも、この記事を読んで、僕も自分に正直に
胸を張っていこうと思いました。
応援しています。がんばってください。

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※引き続き、感想・メッセージを受け付けています。感想を送っていただくと、数ヶ月に渡り連載を続けてくれたドンくんが泣いて喜びますので、ぜひメッセージをお寄せください^^

恩返しすることを誓います

Time- 0:34 Year-2009 投稿者:gidmedia
今日は、会社の中期計画を発表しあう大切な会が開かれる日でした。全社員、200人近くがホテルを貸しきって、今後の方針などを発表しあうのです。その会に僕を含め内定者が10人以上呼ばれ、大事な会が終わった後の懇親会で全社員に紹介されることになりました。
人事の人と、ここでみんなに説明しようと前々から決めていました。内定者の子達と会うのも初めてで、どんな反応をされるか、僕はものすごく緊張していました。
 
懇親会が始まり、司会の方が「内定者のみなさん、自己紹介をお願いします!」と言いました。そして、僕を含め内定者が壇上にあがりマイクを渡されました。みんな、出身地やあだ名などを言って会場を笑わせていました。そして僕にマイクが回ってきました。

みんなの前に出て、スポットライトが眩しく僕に当たりました。僕は人事の方のほうを見ました。ここで、まず人事の方に説明をお願いしていたのです。

「まず、私から皆さんに説明させて下さい。どん君は、戸籍上は女性ですが、会社としては男性として受け入れていくつもりなので、みなさんそのつもりでよろしくお願いします・・。」
人事の方がそういうと、会場がざわめきました。僕はちょっと下を向いてしまいました。すると、以前本社で僕の世話役をしてくれたかっこいい社員さんが、「どん!!」と僕の名前を笑って呼んでくれました。その声で、一気に笑顔を取り戻し緊張の解けた僕は、眩しく光るスポットライトをまっすぐ見つめなおし、「今回、このような場所で皆様にお会いできたこと、本当に感謝しています。ご紹介にあずかりましたように、皆さんの分かりやすい言葉で言うと、私は性同一性障害を持って生まれました。けれど、私はこれから男として堂々と生きるつもりです。私の事情を知りながら、私を選んで下さった社長を含め、社員の方々に、そして私をここまで導いてくれた多くの出会い、縁に感謝すると共に、きっと必ず大きな人間になって、恩返しすることを誓います!どうぞよろしくお願いします!!」

お酒も入って、ざわめきついていた会場が、しんっと静かになり、みなさんが僕の話を聞いて下さっていました。深々とお辞儀をすると、みんなが拍手をくれました。顔を上げると僕に拍手をくれる副社長の姿が正面に見えました。

そして、振り返って自分の立ち位置に戻ろうとすると、内定者の子達が「どん君、かっこいいよ!かっこよかったよ!」「流れを全部持っていかれた~」「一番目立ってた!!」と笑って僕に言ってくれました。緊張して真っ赤な顔は、もう突っ張ったままでしたけど、僕は精一杯の笑顔をしたと思います。こうして僕の自己紹介は終わりました。
 
これからは、社会人として仕事を精一杯にこなす、それだけです。会社は僕を受け入れてくれました。僕にチャンスをくれました。だから、僕はそれに応える為に一生懸命頑張ろうと思っています。

涙で始まった就職活動でした。泣いてばかりの就職活動でした。そして、最後もやっぱり涙でした。嬉しい、嬉しい涙で終わりました。

そして、これからまた始まります。サラリーマンとして、男として、一人前になれるよう頑張ります!

- 完 -


ここまで読んでくださった皆さん、コメントやメッセージをくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました。就活記は今回を持って終了となりますが、今後もコメントやメッセージ等、受け付けていますので気軽に送っていただけると嬉しいです。ありがとうございました。

もう一度紹介します

Time- 1:52 Year-2009 投稿者:gidmedia
人事の人との面談に向かう前、ずっとずっと今までのことを考えていました。一番考えたのはあの、選考合宿での失敗でした。自分が女性の身体を持って生まれてきたことを隠していけば、どこかできっと突っ張った部分が出てくる、それに全部打ち明けて働くと決めていたのだから、ここで言っておかなければ・・・。

人事の人は僕にこう言いました。「営業は本当に辛いことがある。会社はそんな辛い営業があっても帰ってくるとホッとする家のような存在でありたい。だから、ありのままでいられるようにするのが一番いいよ」僕は、本当に感謝しなければいけないとつくづく思いました。もちろん、一瞬も『完全の男としてみられたい』という欲が出ないと言えば嘘になります。きっと歯がゆいことだってあるだろうし、誤解もあるかもしれない、ちゃんと男としてみてもらえない可能性もある。

だけど大事なのは、身体が女性である事実を受け入れ、それでも男として生きることを決めた僕が、僕らしくあることなんだ、と僕は悩みに悩み自分に言い聞かせました。

数日後、僕はもう一度会社の朝礼に呼ばれました。朝礼で、人事の人が「どん君は、実は戸籍は女性ですが、会社としては男性として受け入れていくつもりですので、どうぞよろしくお願いします」ともう一度僕を紹介しました。それを聞いた社員の方たちはちょっとざわめきました。人事の人に促され、僕はもう一度社員の方たちの前に立ち、「社会人としても、男としてもまだまだ未熟者です、どうぞご指導のほどよろしくお願いします」そういって、僕は深々とお辞儀しました。手に汗を握って。社員の方たちはそんな僕に拍手を下さいました。僕は胸を張ってここで働こうと強く思ったのでした。

まさかそこまで・・・

Time-23:05 Year-2009 投稿者:gidmedia
内定証書をもらって数日後、その会社から電話がかかってきました。人事の方からでした。その方は、この間の内定者紹介では単に『男性社員』としてしか紹介していなかったことを気にされて、戸籍上は女性であることをみんなに説明してあげればよかった、今度もう一度紹介させてもらいたいと思う、と言いました。そこまで人事の人は考えてくれていたのです。そして僕自身は『単に男性社員』としていたいのか、『戸籍上を明かしてそれでも男性として働くのだ』ということを明かしたいのか、どっちなのか聞きたいと電話してくれたのです。

僕は悩みました。そこまで僕の気持ちを汲み取ってくれるとは思わなかったからです。どこまでお願いすればいいのか・・・。これは、僕の甘えなのだろうか。僕はまた自問自答してしまいました。電話口で沈黙している僕を気遣って、人事の方は「面談日を設けるから、直接会って話そう」と面談日を設けてくれました。

僕は、その心遣いに感謝すると同時に、即決できなかったのは自分の甘えではないだろうか、もっと自分を明確にしなければ会社も困るはずだ、もっと揺るがない自分を作らなければ・・・もっとしっかりしなければと反省しました。

結果は・・・

Time-22:39 Year-2009 投稿者:gidmedia

教えをたくさんくれた社長面接から、1日、2日、3日経ちました。結果が不採用の場合、連絡はありません。ということは・・・だめだったか・・・。鳴らない携帯電話とにらめっこして眠れない日々を過ごしました。月ばかり眺めて。目の下にはずいぶん濃いクマが出来ました。

そんなある朝、電話が鳴りました。その電話で僕は初めて内定をもらったことを教えられました。震えて声が出なかったのを覚えています。
人事の人が僕に言いました。「選考の初めから終わりまで、みんなの評価、良かったわよー」
「ありがとうございます!!」僕はもうそれしか言えませんでした。嘘みたいに小躍りしてしまいました。

電話を切ってから、しばらく震えがとまらないくらいドキドキしていましたが、やっと自分なりの結果を出すことが出来た喜びを、お世話になっている人に伝えようとすぐに連絡をしました。スーツを置かせて頂き、選考に落ちるたび鼻水垂らして泣いた僕を励ましてくれたニノさん、秘密の就活をする勇気をくれた僕の尊敬するお姉さん、大学での僕をずっと応援してくれたゼミの教授、そして僕の大切な本当の妹のような友達、それぞれにそれぞれの感謝の気持ちを込めて、「内定頂きましたー!」と報告しました。

就活を始めようと、それも挑戦する就活をしようと夜中に泣きながら決めたときは、僕はこの世界にたった一人しかいないような悲しい気持ちでしたが、いざ就活を終えてみると、たくさんの人に支えてもらい、時には怒られながら、そうやってみんなと一緒に僕は生きているのだと実感しました。生かされているのだと。

そして、僕の中に残った、たくさんの企業との出会い、人事の方との出会い、面接での出会い、多くのことを学び、気付きを得た日々、本当に感謝しています。
何度くじけそうになったか分かりません、夜寝られずに何度もふらふらになりました。心ない企業に腹立たしさを感じてしまった日もありました。でも、僕はやっとここまで来れました!!やったぞーーー!!!みなさん、ありがとうございました!!ここで感じた恩は、一生をかけて返していくつもりです!


後日、内定証書をもらいに行き、僕は人事の人と面談をしました。その際に、通称名を使わせていただけないかとお願いしました。人事の人は快く通称名の使用を認めてくれ、「男性として働きたいということは、もう男性社員として扱えばいいのか」と確認してくださいました。僕は、そうです、よろしくお願いいたします、と答えました。
人事の人は面談の後すぐに内定証書の宛名を通称名に変えてくれました。上から紙を張っただけの簡易式ではありましたが、その心意気にとても感謝しました。(今までずっと本名で選考に参加していたので通称名の存在を人事の人は知らず、内定証書には本名が書いてあったのです)

朝礼で僕のことを紹介してくださるとのことだったので、社員さんがたくさんいるところに僕が行こうとすると、役員面接をしてくれた方が僕を待っていてくれて、ギュッと握手して「また君にあえて嬉しいよ」と笑ってくれました。副社長さんは相変わらず元気に「よっ!!」と挨拶してくれました。社長から証書を受け取るとき、僕はあまりに緊張しすぎてロボットみたいな動きになってしまってみんなに笑われてしまいました。

男として、ここで働けるんだ・・・。僕はとても不思議な感覚でその日を終えました。

ついに最終面接

Time- 2:04 Year-2009 投稿者:gidmedia
前回の副社長の面接を通過して、僕はその企業の社長と会うことになりました。今まで受けた最終面接で色々あった失敗を胸に、朝早くて頭がボーとしてはいま したが、全力でやるしかない、そういう気持ちでいっぱいでした。面接の前に、自動販売機でお茶を買って何度も何度も口の渇きを潤わせてから、会社の受付に行きました。

小さな面接室で数分一人で待っていました。机に置いてある時計の針をずっと見て緊張をほぐそうとしました。そしてガチャッと扉が開いた瞬間、僕はビュッと 立ち上がって、社長に「おはようございます!」と大きな声で言いました。社長はにっこり笑って、「ま、座って。」と言いました。

そして座った僕を見て、「もう君の事は100%分かったから」と言いました。僕は目をまん丸にして「え?」と思いました。社長は手に持った僕の今までの選考の結果が書いてある何枚もの紙を僕の方に差し出して、「この書類を昨日の夜、何回も何回も読んでね、君の事9割近くわかっていたんだ。そして今、実際に 君を見て、もう君の事わかったから」と僕に言うのです。それから僕の緊張を見て、「自分の周りの空気をまあるくイメージしてごらん、緊張しているのが伝わって、相手を包み込んでしまうから。円のようなもので相手を包み込んでごらん」と言いました。僕は言われたように一生懸命イメージしましたが、それで成功していたかまではわかりませんでした。

社長はすぐ僕の性別を書いた「備考」に触れてきました。そこにはこう書いていました。「私は、戸籍上は女性ですが、男性として生活し、男性として働きたいと思っています。きっとこのハンデを乗り越えますので、どうぞよろしくお願いします」と。社長はこの「ハンデ」という言葉が気になったといいました。「君はまだ自分にぴったりくっついている。もっと客観視できればハンデとは言わなくなる。女で生まれて男で生きる自分って面白いなって思ってごらんよ」社長はそういって、ご自身の前世の話をしました。自分は前は魚だったかもしれない、石だったかもしれない。男だったかもしれないし、女だったかもしれない。性別は変わっていくその一要素に過ぎないのだと、その社長は言いました。

面接というより、カウンセリングのような感じでした。僕に関する書類(今まで受けた心理テストとか)を基に、社長はずばりずばり僕の長所と短所を言い当てて、そこをどうすれば伸ばせるのか、成長とは何か、僕に問い、色々と教えてくれました。

奥さんと2人で会社をゼロから起こし、今は200人もの従業員を抱える企業に成長させた、多くの経験が社長から滲み出していました。そして何百人・何千人 もの人と出会い、営業というものを通してコミュニュケーションを磨いて来られた、人を惹きつける話術に僕は感心していました。

社長は「ずいぶんと私だけ話してしまった。しかし、君の聞きたいという気持ちが感じられるからだよ」と笑って言いました。そうです・・・。僕は「なるほど、なるほど、」と聞いてばかりで、あんまり自分のことを話していないことに気が付いたのです。

「最後に言いたい事は?」と言われて、僕は絶対に言おうと決めていたことを言いました。

それは、社長が初めて会社を作って、何件も何件も門前払いをされて、怒鳴られて、それでも初めて営業で仕事をもらったその嬉しさを、自分も同じ気持ちで味 わいたいということ。25年も続いた、もう出来上がった組織で営業の仕事をもらうのではなく、仕事を自分で作る、自分で会社を作っているのだという気持ちで働きたいということ。25年前の社長と同じ気持ちで、自分も作りたい。そう伝えると社長は「大変だぞー」と笑いました。「頑張ります!」僕は最後にそう伝えました。

90分近い社長との面接が終わりました。前世の話をされたときは正直大丈夫かどうか心配でしたが、僕の性別について色々と「自分の捉え方」を教えてもらえて、これも自分の事を隠さずに選考を受けたからこんな良い言葉もらえたんだよな、自分でこの道を選んで本当に良かったんだな、と思いながら帰りの電車に乗 りました。
 

副社長面接に呼ばれた

Time-23:56 Year-2009 投稿者:gidmedia
この間、役員面接に呼ばれた選考が通って、次の副社長面接に呼ばれることになりました!!
もう後がないという気持ちで、僕はもう全力で自分のこの会社に対する熱意をぶつけようと考えていました。何度も、リクルート用のHPを使って面接のイメージトレーニングもしましたし、何を言おうか紙に書いて整理しておきました。

そして、面接の当日。その会社に入る手前の自動販売機でオレンジジュースを買って、気合を入れてその会社の扉のチャイムを鳴らしました。なぜオレンジジュースかというと、僕の尊敬するお姉さんが疲れたときにはオレンジジュースを飲むといい、と教えてくれたからでした。ここで疲れをぶっ飛ばして行こう!!

「おはようございます!本日面接に参りました!!!」受付で僕がこういうと、「おっす!ま、こっち入って!」とすごく元気なおじさんが僕を迎え入れてくれました。

声が大きくて、色黒で、顔立ちの整った渋いおじさんが、何と副社長さんでした。白い歯をみせて、席に座った僕にその方は名刺を渡して下さいました。僕が名刺を定期入れの上に載せて机の上に置いたのを見て、「お、よく知ってるね」とその方はニコニコして褒めてくれました。そして椅子の奥深くに腰かけると、「ま、リラックスして」と言いました。

面接の内容は、先に行なった役員面接で聞かれたことの詳細とかで、僕は果たしてこのままでいいのだろうかと面接中に自問自答していました。どこかで、僕の熱意をぶつけないと・・・。

そして、その会社の理念である「人の役に立つ」に触れたとき、その方は「人の役に立つのは簡単じゃないよ。潰れる人もいるんだよ。向いてない人は向いてないから」と僕に言いました。僕は、つい目頭を熱くして、「人の役に立つというのは、その言葉は本当に簡単で誰でも言えることです。だけど、私は本当の意味で人の役に立ちたい。大変さを乗り越えて、きっと、人の役に立つ人間になりたいんです」とその方の目を見て言いました。つい前のめりになって。

その方は、まっすぐ僕の目を見て、誰がこの仕事に向いているかは分からない。採用しても、ダメだった人もたくさんいる。内定を辞退した人もいる。君はこれからは本当に自分がここでいいのか、ここで働けるのかということを真剣に考えて欲しい。そのために社員は何でも話すはずだから。と僕に言いました。僕は内心、「あれ?ここで落ちたってこと?それとも次に呼んでもらえるのだろうか」とドキドキしていました。

面接の最後になって、「あ、性別のことは、役員の人に聞いたと思うけど、うちじゃ関係ないから。男だろうと、女だろうと、仕事ちゃんとやってもらうから。」と言われました。
最初から最後まで、ずっと元気でがっつのある副社長さんでした。

徐々に惹かれて行く会社

Time-22:47 Year-2009 投稿者:gidmedia
最終選考に落ち、説明会からやり直し、エントリーシート、一次面接、落ちてはまた説明会、そんな日々が続いていました。そんな時、一社だけ、また選考が続いて役員面接(三次面接)に呼ばれることになりました。

その会社はまだ小さな会社ではありましたが、お客様と密なコミュニュケーションをとりながら、広告を発行していくという会社でした。人と向き合って、信頼関係の上で一生懸命働きたいと思っていた僕は、その事業内容を聞いてとても興味を持っていたのでした。

そして、役員面接に行きました。このくらいになると何度も選考に落ちた経験から、一つ一つの面接に対して「これが最後になるかもしれない、全力で当たって砕けないと意味がない!!」と思っていたので、僕はもう全力投球の姿勢で挑みました。

しかし、役員の方はとても若く、とても笑顔が素敵な優しい雰囲気の方で、椅子に深く腰掛けると「気軽でいいよ」とにっこり笑って僕に言うのでした。殺伐としていた僕の気持ちはすぐに和らいで、役員の方も僕の話を本当に面白そうに聞いて下さり、たくさん笑ってくれました。

「本当に学校生活を楽しんでるんだね」役員の方はそういって僕を見てきました。僕も「はい、すごく楽しいです」と言いました。すると役員の方はもっと笑って「見てたら分かるよ」と言いました。面接はこんな風に終始和やかに進み、役員の方が僕の履歴書の「男性として働きたい」について訊いてもいいかと聞いて来ました。

いつから男性としての自覚を持って生活してきたのか、どんな気持ちだったのか等を聞かれ、その後に役員の方は「大変だったね、うちは男女関係ないから、性別で差別したりしない所だから大丈夫だよ」と言ってくれました。また、みんなに隠すのかどうか、お客さんにはもしかしたら拒絶されるかもしれないから嫌な思いをするかもしれないし、他の人よりも頑張らないといけないかもしれないよ、と言われました。

僕は、「みんなには隠すつもりはないこと」「お客さんにクレームを言われたら、一個人としての対応ではなく、一社員としての適切な対応をするつもりであること」「他の人よりも何倍も頑張るつもりであること」を伝えました。役員の方は深く頷いて、君なら大丈夫そうだと言ってくださり、その日の面接は終わりました。

どん底の月

Time- 3:48 Year-2009 投稿者:gidmedia

受けていた最終選考がことごとく落ち、僕はまた振り出しに戻る怖さと、先の見えない疲労感でずいぶん精神的に辛くなってしまいました。

夜もなかなか眠ることが出来ず、2時、3時と目を覚ましては、窓から外の景色を眺めていました。ずいぶんと爽やかな夜風が吹く日には、真っ暗な外をずーっと眺めては、時々涙が流れました。僕は昔から月が大好きなのですが、こんな辛いときも、月は温かく空に輝いていて、僕は月を眺めてはずいぶんと心を落ち着かせていました。

夜の町は、しんと静まり返っていてまるで人がいないようだけれど、この町に、この空の下に、たくさんの人が生きていて、生活していて、頑張っているんだなと夜空を眺めては思い、だから自分も頑張ろう、そう自分に言い聞かせては布団の中に潜り込んでいました。

性別は問題じゃない。それは今までやってきてそうだったはず。後は、本当に自分の本気さだけだ。
本気。本気。切羽詰った状況が僕をさらに引き締めていくのを感じながら過ごすようになりました。

きっとあの社長を越えてみせる

Time-23:30 Year-2009 投稿者:gidmedia
今まで、僕のやる気を支えてくれていたある企業の最終選考合宿に行ってきました。
そう、初めて選考を受け、僕を通称名で呼んでくれていたあの企業です。

何と、この会社の最終選考は、1泊2日の合宿選考だったのです。
この企業と出会って、僕はどれだけ勇気をもらったでしょうか。この企業と出会って、僕はどれだけやる気をもらったでしょうか。しかし、僕の働く場所ではなかったようです。

選考合宿では、男の子達とうまくやれるかどうかということばかりが気がかりで、選考として自分のやりたいことを伝えることが上手く出来なかったようです。
最終選考の結果は、社長からの電話連絡でした。その時に、選考結果の理由を教えてもらったところ「君の"同じ境遇の人たちの力になりたい"という夢は、ウチの会社でなくても出来る」と言われました。
それを聞いたとき、僕は「しまった」と思いました。確かにそれも僕の夢です。でも、それと共に、地域を活性化したり、日本社会に人とのネットワークを生み出して組織や社会が人と人とのつながりの中でもっと活き活き出来るようにしたい、と僕は思っていたのですが......。

僕の強調する部分を間違って受け取られてしまったようです。いや、それ以前に、「男」として集団生活できるかどうか疑問を持たれたのかもしれません。というのも、合宿中、僕は自分を見失ってしまっていました。恐らく、自分は自分であればいいだけの話だったのに、僕は一生懸命自分の女の部分を隠そう、隠そうとぎこちなくなっていました。自分をどう捉えるかという点で、僕はまだ、ちゃんと消化しきれていなかったのだと思い知らされました。人に壁を作ってしまっている自分を合宿中に見てしまいました。

僕の中の劣等感。合宿中に僕はそれを自らの中に見ました。感じました。逃げたくもなりました。けれどこの自分の劣等感と向き合わない限りダメだと思いました。最後の最後まで、この企業は僕に教えを与えてくれたようです。

確かに、選考の連絡を受けたとき僕は非常にショックでした。一緒に働きたいと思う人たちでした。しかし、それは叶わない想いとなりました。しかし、今の時点で、です。僕がこれからでっかくなって、社長と対面できるくらいの力を身に付ければまた会えます。今度は熱く語るのは僕のほうかも知れません。かっこよく見えた社長と同じくらいかっこよくなる自分を描いて、僕はもっともっと前に進むしかないのです!いえ、前に進むのです!

選考の会社がなくなって、もしかしたらどこにも就職できなくなるのではと、もちろん不安になります。怖さがまた降りかかってきます。しかし、未来が見えないとうことは、もしかしたら成功しているかもしれないわけです。諦めたらそこで終わり。諦めなければ、最後まで行ける。

とにかく、今回の選考で勉強になったのは「GID」に固執している自分でした。僕は「僕」です。僕のやりたいことは「僕」のやりたいことです。「GID」についての僕の夢は、僕の生き様で示せるくらい大きくなったときに絶対叶えてみせます。今は修行の身。足元から着実に上りきる!!
ハッピーエンドで終わらなかったこの企業の選考でしたが、ハッピーになる時期がちょっと先に延びただけです。この企業のこの結果も全て次のハッピーに繋げてみせます。絶対に、絶対にここで終わらないぞ!!絶対に、絶対に!!

再び振り返る

Time-21:18 Year-2009 投稿者:gidmedia
僕の男友達から内定をもらったという連絡が来ました。嬉しい気持ちと羨ましい気持ちが湧き上がってきました。
分かっているけれど、ふっと頭をよぎる「僕が完全な男だったら・・・」という気持ち。いや、そんなこと考えても仕方ないことじゃないか。けれど・・・。

実際にあからさまに性別について拒否反応を示されたことはありませんので、企業によっても、その時の人事担当者の方によっても、僕のような人間をどういう風に見ているのかは分かりませんが、「ハンデ」として認識されることもありえるでしょう。でも、こればっかりは学生である自分が考えても本当に仕方のないことなのです。

そもそもこの道を選んだのは紛れもなく「自分」なのです。困難であることも、他の人よりも大変になるかもしれないのも分かっていて、それでも諦められずにこの道を選んだのは自分なのです。親に認めてもらっていない道であることも、覚悟したことです。それでも、僕が選んだ道。誰も押し付けたりしていません、誰かの指図でもありません、自分で考え、決め、歩き出した道なのです。

だから、歩ききってみせます。ハンデも、誤解も、困惑も、全部吹き去ってしまう人間になることで。ほんのわずかの可能性に賭けてみたいと思ってもらえるように、僕は僕の道を歩いていくのです。僕が僕だからこそ手に入れられた多くのものを大切にして。僕が完全な男であったら、きっと見られなかった世界を、人の心を、僕は今、見られる。その価値を自分でおとしめてはいけないのです。

話は変わりますが、今日電車に乗っていたときに反対側のホームにとても僕に似ている子(つまりFTMっぽい子)がレディーススーツを着て、腕を組んで立っていたのを見ました。どうみても女の子ではない雰囲気を醸し出して。その子が、僕と同じ人なのかは分かりませんが、今この時も僕と同じような人が違う場所で頑張っているのだろうな、一緒に頑張りたいなと思いました。

例え、レディーススーツを選んだとしても、改名した名前で完全に自分の望む性別で挑戦しているとしても、性別にこだわらず自分のやりたいことを探すとしても、それぞれの選択が、それぞれ大切で、正解などひとつもない、ただ僕達が僕達らしく幸せになれればいいんだ。どの選択をしようとも、どの道を描こうとも、僕達は今この時、共に同じ世界で頑張っているということは、とても尊いことだと思います。僕も頑張ります、一緒に頑張っていきましょう!!

面接中にカミングアウト作戦

Time-23:38 Year-2009 投稿者:gidmedia

ある大手のマーケティング会社の1次選考がありました。
提出する書類には性別について書けるようなスペースがなく、面接のときに説明するしかない状況でした。

僕は正直とても怖かったです。
面接という場で説明することをやったことがなかったのです。
履歴書を渡して、それでダメなら選考に落とされるだけ。
面と向かって傷付いたことがなかったので、今まで避けていた『面と向かって自分のことを説明するしかない』ということがとても怖かったのです。

もし、面接官が若手の社員だったら、事情を把握できずに迷惑かけるかもしれないからその時はやめておこう・・・とか、集団面接だと他の子に悪い影響を与えてしまうのではないだろうか、とか、色々考えては逃げようとする自分と闘っていました。

その日の夜はほとんど寝ることができませんでした。
でも、大手の会社だったし、何も言わなくてもネクタイしている時点で落とされる可能性は高かったし、どうせ落とされるなら、次に活かせることをやって落とされる方がまだいいじゃないか。
そうやって自分を何度も説得し、僕はその日会場まで行きました。黒いネクタイを締めて。

僕を入れて4人の学生による集団面接でした。
面接官は一度説明会で会ったことのある、人事部長の人でした。
「この人であれば言っていいだろう」僕の決意は一瞬でした。

面接で最初に行なわれる1分間の自己PRのときに、僕は「戸籍は女性ですが、男性として生活し、男性として働きたいと思っています。ですから本日はこのような(メンズスーツ)格好で来させて頂きました。私の所属するゼミは~・・・。」と言いました。
もちろん、すんなり言えませんでした。何度も噛みました。何度も言葉を詰まらせました。
それでも言い切りました。面接官の人は僕に関する書類と僕とを交互に見ながら、一瞬身体を反らしました。
一緒に選考を受けている子達がみんな僕のほうを見ていました。
僕の背中は汗でびっしょりでした。

そして選考は続き、最後に言っておきたいことはありますか?という質問に対して僕は「最初に自分のハンデについて説明させて頂きました。確かにこれはハンデになるかもしれません、御社に迷惑をかけてしまうかもしれない、それでも、他の人の何倍も頑張るつもりです。必ずハンデを乗り越えてみせます。私にはその自信があります。」と言いました。

もちろん、すらすらとこう言えたら良いのですが、たくさん言葉を詰まらせました。
それでも僕はやろうと思っていた挑戦をやり遂げたことがとても嬉しかった。
できることは全部した感じでした。

落とされる可能性は確かに高いけれど、選考に通る通らない以前に僕は今日の選考でひとつ勇気を手に入れた気がしていました。

しかし、やりきった気持ちで会場を後にした僕は、最初に感じていた達成感よりも今度は自分のしたことが果たして良いことであったかどうか悩み出していました。
もしかしたら、僕はとんでもない馬鹿なことをしたのではないだろうか。
いや、馬鹿なことなんかではない。でも、こんな危険なこと・・・こんなこと言って、通るわけない。
でも、この道しかなかったんだ。でも、でも、でも・・・。

僕は決してかっこいい人間ではないのです。
僕の行動が、他の僕と同じ状況の人たちにいい影響を与えられれば、僕がダメでも頑張ろうと思えるのも確かです。
でも、僕自身、どこにも行くあてがないのではないか、と考えると僕の取っている行動が自分に不利なのではないか、僕は馬鹿なことをしているのではないか、という恐怖に駆られてしまうのです。

何もかも忘れてしまいたい。逃げてしまいたい。
帰りの電車の中から外を見ていたら、反対側の駅のホームで小さな男の子が楽しそうに走り回っていました。
そしてそれを優しそうな眼差しでお母さんらしき人が見守っていました。
その景色を見た途端、僕は泣いてしまいました。
胸がキュッと締め付けられるような痛みを感じて思わず泣いてしまったのです。
漠然とした何ともいえない気分になりました。
親の望む就職活動を行なえていないことへの罪悪感からかもしれませんし、自分の選んだ道のとめどない不安感からかもしれませんが、僕は自分が限りなく愚かに思えて仕方なくなっていました。

僕の決断が、果たして僕にとってどんな意味になるのか今はまだ分かりません。
何年後かに振り返ったとき、逃げなかった自分を称えられるようになっていたい気持ちでいっぱいです。

*この日行なった選考に僕は無事通過することが出来ました。諦めずに言って良かったなという気持ちと、僕を選考に進めてくれた人事の人の想いに心から感謝する気持ちでいっぱいです。


※ドンくん対談音声、公開中!PC版携帯版

最終選考の洗礼

Time-18:31 Year-2009 投稿者:gidmedia

ほいほいと、上手い具合に進んだ選考がありました。大手の人材サービス会社です。
面接官の人とは話しが合い、いつも終わった後は楽しんでいたなっという感想。
そんな企業の最終選考がありました。

僕は、きっともう受かったも同然?位に思ってしまっていました。甘かったのです。
僕はその選考に落ちました。話しもいい感じでいったと思います。
給料の話も、僕の性別のこともOKと言ってくれました。それでも、僕は落ちたのです。
悔しかったし、とてもショックで。涙が出ました。
どうして?どうして?

でも考えれば、色々甘さが見えてきました。僕は、図に乗っていました。
性別のことがクリアされても、人として選考されているだけの話。
それなのに、性別がクリアだからってもう他の人よりも1歩リードしているような気になっていて。
ただスタートラインに立っただけなのに。

1回しか会えなくて、それだけの時間、自分を本当にぶつけられていたのか。
どうして僕はもったいないことをしたんだろう。
僕は、がむしゃらに就職しようとする自分を隠そうとしていたのかな、余裕のフリをしていたのかもしれない。
だとしたら、僕は何て、愚かだったのだろうか。

人との出会いは大切なのに、僕は前を走る先輩達に恥じぬように、そして後から追いかけてくる後輩達のために、もっと良い社会を作るために、ただ自分ひとりだけの道ではなく、みんなの道を走っているのに、僕が台無しにしてはだめだ。

かっこ悪くたっていいじゃないか、その後にかっこいい自分がいるのなら、そのためにがむしゃらに食いついて走って汗だくになりながら、頑張ろう、頑張ろう、先が見えなくても、今はまだ、不安に押しつぶされそうでも、それでも、また次頑張ろう。

そういって何度も自分を奮い立たせてみました。
しかし、それからしばらくはその時の選考のことが忘れられず、何度もベットから飛び上がるくらいうなされました。
面接でされた質問が何度も頭の中で繰り返されました。
悔しい気持ちと、一気に地面を失ったような恐怖感が襲ってきました。
何度もベットを殴りました。自分の甘さが許せませんでした。

もう一度ゼロからやり直そう。
何日か経って、僕は再び最初から就職活動をやり始めました。
その時点で、20社余り選考を受けて全部落ちていました。本当にゼロからやり直しでした。

面接で言われた嬉しい言葉

Time- 2:16 Year-2009 投稿者:gidmedia

今日は、あるIT企業の一次面接がありました。

その企業には筆記試験のときに履歴書を提出しなければならなかったので、そこで「男として働きたい」ということを書いておきました。

その企業の雰囲気を説明会のときに感じて、ここの企業は僕みたいのはダメだろうな......って勝手に思っていたので面接の連絡自体が驚きでした。

まぁ、そんなどっちかというと固めな雰囲気の会社だったので、面接の時点で落とされるのだろなと思っていたんですけどね。だから、やるだけやろうって気持ちでした。
ここに面接に呼んでくれただけでも儲けもん。会ってくれるだけで儲けもん。
もう怖いものなんて何もない!そんな気持ちで面接に行きました。

僕がその日の面接の最後の学生だったみたいで、一人待合室で何分か待ちました。
その間に面接官の人が僕の普通とは違う「備考」付きの履歴書に目を通しているのを僕は感じ取っていました。

どういう風に思っているのだろうか。やっぱりそんな人間の面接なんてやりたくないのかな。
はずれくじでも引いた気分にさせてしまっているのかも。
呼ばれるまでの間、考えても仕方ないことを色々考えていました。

そして、僕は呼ばれました。
その日の面接は一次ということもあって若手の社員さんによる面接でした。
面接官の人は沖縄チックな顔立ちの、良い人そうな印象。僕は不思議と緊張していませんでした。

最初、その人は僕の目をあまり見てくれませんでした。
面接的な質問、志望動機とか自分の長所とかを聞かれて、それに答えている間その人はちょっと目をあわせてもすぐにそらしてしまうみたいな感じでした。

僕は、この人が初めて見る『女だけど男みたいな僕』をまだ受け入れられないのかなって思いながら話していました。
でも、その日は本当に不思議と緊張していなかったので、僕は話しに詰まることもなく自分の言いたいことをどんどん話していました。

気が付いたらその人は僕の目をずっと見てくれるようになっていました。
僕はその人のまっすぐ見つめるまなざしを心地よく感じながら、ITの業界についての問題や仕事内容についての簡単な質問、社長の人柄など、その人に向かって色々と質問をしました。

話をしながら僕と面接官の人は笑っていました。もう面接というより雑談という感じになっていました。 

「お酒飲みすぎて新入社員のときに10キロ太ってね」
「そーなんですか?!大変ですね」

そんな会話がずっと続いていました。
30分くらいの面接が、気が付けば1時間にもなろうとしていました。

「あ、いけない。もうこんな時間だね」
面接会場として設けられた大きな会議室に僕とその人、たった2人しかいない。
僕と面接官の人は周りを見渡して一緒に笑いました。 

僕は、こんな楽しい面接は初めてでした。
そして、これで終わりにしようかっと帰る準備をしていたときに、その人は僕に向かって言いました。


「君と一緒に仕事がしたいよ、一緒に営業やってみたい」


僕はただ笑うしか出来ませんでしたが、とても嬉しく思いました。
僕にとってそれはどんな褒め言葉より嬉しい言葉だったのかもしれません。

 「こんなこと言っちゃまずいかもしれないけど、次の面接はもっと上司の人だから」
その人は笑って僕に言いました。

 「ありがとうございます!」

この言葉以外にこの気持ちを代弁する言葉はきっとないでしょう。
僕はもしかしたらただの社交辞令かもしれないその言葉を、大切に受け取りました。

その人が持っている僕の履歴書には他の人とは違って手書きで付け加えた「備考」がある。
それをその人は読んでいる。

それでも僕はこの人に認めてもらったんだ!!
嬉しくて、嬉しくて、もし、例えこの面接が落ちてしまっても、この言葉を宝にこれからも頑張ろうと決意しました。

一週間後、僕はこの人とやった面接を無事通過し、二次選考に呼ばれました。

一次より、二次の方が年上の人だし、年上の人のほうがどちらかというと例外を好まないと思うから、難易度で言ったらぐっと難しくなるだろう。
でも一次で僕を認めてくれた人が何年か後に二次面接の面接官になっているかもしれない。
そしたら僕みたいな子と再び出会ったとき、僕を思い出してくれたら、ただ書類だけで判断せず、ちゃんと会ってくれるに違いない。そして、人間としてちゃんと見てくれるに違いない。
だから僕のしたことは続いていく。僕のしたことはこれから続いてく。

僕は例え二次選考が難しくて認めてもらえなくて、悲しい結果しか待っていなかったとしても諦めない、逃げない。二次選考の人に良い印象を残せれば儲けもん。会って話せるだけで、本当に儲けもん、後は自分次第。
そして頑張れば、この先に続いていける。だから僕は、諦めないぞ!

 

※後日談
この企業の選考は次の役員面接で落ちてしまいました。しかし、いい出逢いがあったことは感謝しています。

男か女か

Time-23:05 Year-2009 投稿者:gidmedia
今日は、1日に3社の第一次選考を行うというハードなスケジュールでした。
1社目は大手の広告メディア会社。2社目が急成長中の広告代理店。3社目が人材会社です。

1社目の選考はグループデスカッション選考。こういうとき迷います。
なぜなら『グループで話し合う』選考だからです。
つまり、名札を付けなければいけないのです。
本名書いたら女だってバレバレだし、けれど通称名を書くと今度は人事の人が誰だか分からない。
まぁ人事の人に先に言えばいいのかもしれませんが、まだ言ったことありませんし、人事の人もその時に言われたら焦るかも知れないし分かってもらえないんじゃないかと、またまた色々考えてしまうのです。
だから、本当に迷います。

それでその日の1社目は女でいきました。というか、説明を何もしなかった。
つまり履歴書は渡しますが、そこには事情は何も書かなかったのです。
性別は一応女に近い方に○を。わざとちょっとはずして丸をつけるのはせめてもの抵抗です。
そしてメンズスーツにノーネクタイ。最近精神的にレディススーツを着ることができなくなっているのです。

次の広告代理店は前に説明会でアンケートみたいなものを書かされ、その欄外に「男として選考に参加したいです」と書いておいたので、ネクタイを締めて男として選考に参加しました。
選考はグループ面談。とりあえず名札はつけなくてすんだのでよかったです。

最後の人材会社は、そのままネクタイ締めて男で選考を受けました。
その企業にも以前にチョロっと、読んでくれたかどうかは分からないのですが男として働きたいというメッセージを残したことがあったので、その言葉どおりの行動を取りました。

ネクタイ締めるか締めないか、男として働きたいですと言うか言わないか、違いはそれだけです。
選考の際、それがグループで話すことであろうと、グループで面談を受けることであろうと、個人の面接であろうと、中身は何も変わらないことに気が付きました。中身は僕です。

大切にしてることも、これからどういう人間になりたいのかも、どんな失敗をしどんな経験を積んだのか、なぜそう思うのか、何をしていきたいのか。
それは男だろうが女だろうが、関係ない。つまり僕は僕なのです。

僕はありのままで僕の持っているものを人事の人とかに出して見せただけです。
もちろん、男としてちゃんと働かせてもらえれば、色んな制約や色んな周りからの勘違いが僕を苦しめ僕の行動を束縛することはないはずだから、自分を最大限出し切ることもできるだろうけど、今は相手に自分を伝えると言う段階。
だから確かに男とか女とかは大切だけど、それと同じくらい、いやそれ以上に自分というものを伝えることが大切なんですよね。

アイデアを出したりするのは人間としての僕であって、そこには性別は関わってない。とにかく、中身は僕だってことです。僕は僕。そんな単純なことを再認識した今日この頃です。

第四次選考

Time-18:39 Year-2009 投稿者:
三次選考を受けた会社がまた次の選考に僕を呼んでくれました。次は四次選考。
ついに、会社の社長との面接になりました。

まだ20代という若い社長ではありましたが、何となく鋭さのある、侍のような社長。
その方は僕の前に座ると「じゃ、質問して。」とだけ言いました。
しかし、僕はまったく質問を考えていませんでした。
社長に会えるということだけで、つい舞い上がっていたのです。

社長を目の前にして変な質問も出来ない・・・。
えっと・・・と苦笑いしつつ頭で必死に質問を考えました。

「現在の少子高齢化についてどう思われるでしょうか・・・。」
そんなことしか思いつかなかったのですが、社長はそこから熱く語ってくれました。
社長の話が面白くて、質問は考えなくてもどんどん出てきました。
ただ、僕の質問は変なものが多かったみたいで「それは違う!」と社長に言われてしまい、僕は失敗してしまったかもしれないな・・と思っていました。

「質問は?」
社長はまた僕に問いかけてきました。
なので、僕は「僕の性別についてはどう思われているのですか?」と聞いてみました。

「ハンデは誰だってある。俺は気にしない。一緒に仕事したいかどうかだ」

まっすぐ社長は言ってくれました。
そして今度は社長が「君はどうなりたいの?」と質問しました。
僕は、この熱くてまっすぐな社長にすでに惚れていたので、自分の考えていることを全部包み隠さず言いました。

どうして「性別」を明かして就職活動をしているのか。
辛いこともあるけれど僕は絶対諦めたくない、なぜなら僕の頑張りは次に繋がっていくから。
僕はひとりぼっちじゃない、僕はみんなに支えられている、だから僕もみんなのために精一杯生きたい・・・

気が付いたら僕は泣きそうになっていました。
目は真っ赤になっていて、もう少しで涙が流れそうになっていました。
社長は少し驚いてはいましたが、それでもまっすぐ僕の目をみていました。

僕は、熱くなりすぎてかっこ悪い姿を見せてしまって、とても恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。
そして、社長にダメだしもたくさんされていたので、結果はダメだろうな、とがっかりしながら帰ったのでした。

-続く

第三次面接

Time- 1:47 Year-2009 投稿者:
僕を男性名で呼んでくれた企業の二次選考後、嬉しいことに三次面接に呼んでもらうことができました。
初めての本社。緊張してのどがカラカラになりました。

その面接には僕の他に男の子が一人。僕を入れて2人だけの面接。
僕はそろそろ性別のことを聞かれるのかと思って覚悟をしていましたが、全く聞かれませんでした。もう一人の男の子と全く同じ扱い。
面接官の人は、ちゃんと僕の目を見てくれました。ちゃんと僕の言葉を聞いてくれました。僕はそれをとても嬉しく思いました。

そして、一緒に面接をやった男の子みたいに声も身体も早く男になりたい。早く、胸張って堂々と生きられる自分になりたいなって思いました。
電車の窓に移る自分の顔が丸くて、女みたいで嫌だなって、そう思ってしまいました。

初めて参加した会社の二次選考

Time- 1:44 Year-2009 投稿者:
初めての選考のとき、慣れないグループワークで自分の説明もへたくそだったのに次の二次選考に僕を呼んでくれた会社は、今度からの選考は「通称名」で行なっても構わないとさえ言ってくれました。
だから、僕は堂々と「男の名前」で二次選考に参加しました。

会場に着くと、心はとても軽やかで緊張どころかわくわくさえしました。おどおどしていた一次選考とは全く違っていました。

二次選考はグループ面接でした。その日の面接官は、その会社の取締役の方でした。
笑顔がとても優しいその取締役の方に向かって、僕は社会の問題、雇用の問題、その会社で一体何が出来るのか、一生懸命聞きました。
僕を「男」として認めてくれたこの会社に少しでも選考に呼んで良かったと思ってもらいたかった。
だから僕は本気で面接をさせてもらいました。

選考が終わって、僕は全てを出し切った気持ちでいっぱいでした。後悔はない。
会場の受付で僕の「通称名」を認めてくれた人事の人が立っていたので、帰り際その人の側に行って、
「私が@@です。本当にありがとうございました。」とお辞儀をしました。
その人はにっこり笑って「わかっていますよ」と言ってくれました。
僕の心にとてもすがすがしい風が吹いたのを今でも覚えています。
そしてもう一度お辞儀をして、「出会ってよかった」と感じながら僕は会場を後にしました。
女として受けた選考の場で、アンケートや性格適性検査など氏名と性別を書かなければいけないとき、実は楽な部分もありました。
人事の人に伺う必要はないし、ドキマギすることもない。
周りに見られるのを気にすることもないし、どう伝えたら良いのか考えることもなく、ただ事務的に書いて終わりだった。

でも、人事の人が言った一言「今日は男性陣が少ないので気まずいと思いますが・・・」その中に僕は含まれていないのは当然で、でも「男性陣」と言われたとき僕も呼ばれている気がした。
れど、「ああ、僕は違うって思われているんだよな」って。何か、ふっと、落ちるというか。

女で就職した場合、生活をする上での楽しいことや、思っていること、どんな風に感じているのかとか、きっとありのままでいられなくなるのだろうな、それが、きっと後々苦しくなるのだろうなって思ったのです。
今は、女と記入するとき「楽」に○できたとしても。

逆に、ドギマギしても自分の事をちゃんと話して、それで分かった上で仲間にしてもらえたのなら、そこでなら僕の本心を認めてもらえたことも、心から嬉しく思えるのだろなと、改めて感じたのです。

もし仕事がうまくいった時に「女の子だけどよくやったね」って言われたら、それが褒め言葉であったとしても、僕はその言葉を心から受け入れられないと思う。
そんなの、前から感じていたことだけど、女で就職したらこの先、何やってるのかなって気持ちになる。

面接を終え、帰り道で女としてなら認められても全然嬉しくない未来の自分をちょっと想像して、残念な気持ちになりました。

-続く

「女です」と言います。

Time-20:48 Year-2009 投稿者:
こんなことを書くと卑怯と思われるかもしれませんが、僕は男として就職活動をしつつ、女としても就職活動を少ししています。といっても3社くらいなのですが。

最初の説明会のときに何となく雰囲気でダメそうかなと思ったことと、説明をするタイミングを逃してしまって、女扱いのまま選考が進んでしまったこと、そして性同一性障害を明かして男として就職活動をするのは危うい部分もあるので、やはり「女」と偽っても何とか保険(つまり内定)をかけておきたかったというのが正直な気持ちです。

きっと、女ですということは、ある意味嘘になります。
何となく重い気持ちを持ったまま、履歴書の一番最後に、女、と記入する。自分が分からなくなる気持ちが湧き上がってきます。
けれど、これも避けて通ってはいけない道なのかもしれないと自分を説得して、僕は女で選考に行っています。

もし僕が性同一性障害を明かさずに、「男みたいな女?」という立場で就職活動をしたらどんな結果を生み出すのか、僕は実際に見てみたいと思っています。
もちろん同じ企業というわけにはいかないので正確なデータにはなりませんが、とにかくやってみる、です。

ただ、レディースのスーツを着ているときは、電車に乗っていても、席に座っていても、何だかとてもイライラして、気持ちがへこんで、とても苦しくなります。
誰にも見て欲しくない気持ちでいっぱいになります。だから、これもまた大変です。

ときには履歴書に女と書いて、ときには履歴書に男と書いていると、自分が分からなくなります。
ある時僕がへこんで大学の友達に「やっぱり僕って男に見えないの?」と聞いたことがありました。
その子は「だって男でしょ」とだけ言いました。

ああ、そうなんだ。僕は頭でごちゃごちゃ考えすぎるくらい考えるけど、ただそれだけなんだよな、と思い知らされました。
でも、その子がそうやって思ってくれているのに、今更女として就活をしているなんて、僕は裏切り行為をしている気分になります。

僕は一体なんなのか、僕は一体なんなのか。
「だって男でしょ」
でもどうしてはっきり堂々と「男です」と言えないのだろう。どうして僕の「男です」はダメなのだろう。
何度覚悟をしても、何度決意を固めても、僕が一体なんなのかを考えなくなることはありません。

-続く

初の試み

Time-20:38 Year-2009 投稿者:
今日はある人材関係の説明会でした。
その説明会が終った後に実施する性格適正検査で、悩んで迷って本名を書いておきつつ、性別欄の男に○をつけて、男性として働きたいと思っていますとメッセージ書いて渡しました。
履歴書で書く以外では、初の試みでした。

けれど、人事の人にその用紙を渡したあと、僕は人事の人がそのメッセージに気が付く前にその場から速攻立ち去りました。
実はまだ怖いのです。面と向かって話すことが。

こんなこと言うと情けない話ですけれど。自分にとってまだリスクになるその希望。
まぁダメだろうなと、本当にダメだったときに落ち込みすぎないように気持をなだめ、だましだまし。そんな状況が本当のところです。

だけど、僕は思ったんです。
もし僕が性別のことで認めてもらえないなら、僕自身がでっかくなって、認めさせてやる!って。
あいつ知っているぞ、あの時採っておけば良かったと思わせてやるぞと。
そしてこれからは性別だけで人を見ようとするのはやめよう、前例が無くても可能性にかけようって、一人でも一企業でも思ってもらう、そんなきっかけのひとつになりたい、絶対なってやると。
ベンチャー社長が高層ビルへの進出を夢見たように。

そんな大きな夢とは裏腹に、未だに面と向かって自分の説明が出来ない情けない僕はそそくさと会場を後にしたわけですが、その時、階段を急いで降りながら、ふと空を見上げると、会場の外は青空が広がっていました。
本当に、本当に透き通っていて、白い雲とすがすがしい青空が広がっていました。
僕は何だか悲しいやら、嬉しいやら、不思議な気持ちで、電車までの道のりを歩いて帰ったのでした。

本気かどうか

Time- 3:57 Year-2009 投稿者:
今日は別の会社説明会に行ったのですが、そこで社長の講演がありました。
資本金がほとんどない状態で19歳での起業。今では何十億をも稼ぎ出す社長。
不可能を可能にする!諦めない!社長の言葉が僕の心にどんどん入っていきました。

この会社が性同一性障害者を受け入れるかどうかは別問題だけど、僕はまたやる気になりました。
僕も大きくなってあの社長みたいに大勢の前で堂々と語りたい。
諦めないでいたことを自分の姿で証明できる人間になりたい。

そしてその人の話を聞きながら、僕は自分自身に問い詰めていました。
僕はちゃんと本気でやれているのだろうか。
性別のことを明かして雇ってもらえない厳しい状況ばかり考えて、僕はその度にびびってどうしたら良いか迷っている。
怖い、逃げたい。どーせ、ダメなんだろうなって言い訳する自分。

僕はちゃんと本気だろうか?本気で今動いているのだろうか?
他の人間よりダメだ、迷惑だと思われる、僕は劣等感の塊となって逃げて、そして一体何をしているのか?何をしたいのか?

時間は過ぎる。自信も無く、そそくさと逃げるように会場を後にする自分が情けない。
なぜ堂々とできない?僕は何も悪いことなどしてない。僕はこう生きようと決めただけだ。
誰が決めた?僕が決めたんだ。なぜ?それは僕の幸せのため。僕が選んだ道だ!

困難に打ち勝ち、社長という地位を手に入れ、慕ってくれる仲間を得て、キラキラと話すその社長さんを見つめながら、僕は、自らの困難に打ち勝つ勇気を小さな自分の心の中から必死に探していました。

-続く

一次選考の結果

Time-22:50 Year-2009 投稿者:
一次選考を受けた会社から、結果の通知が来ました。
僕は正直、自信はありませんでした。

そしてその日、大学の友達とお酒を飲みました。酔いたかった。
落ちているだろう結果を出来る限り見たくなかった。
それでもなんとかその日のうちにメールを確認したのですが、、、
二杯飲んだビールも一気に覚めていました!なんと一次選考を通過していたのです。

一瞬、頭の中が白くなりました。

急いで二ノ宮さんに連絡して、その日飲んだ友達にも連絡しました。
嬉しかった。僕の頭は希望でいっぱいになっていました。
連絡した友達が僕のことを喜んでくれたことも、僕にとってはとても嬉しいことでした。
女の子の友達はわざわざ夜中なのに「おめでとう、良かったね」と電話で声をかけてくれました。
男の友達は「誰よりも男らしいよ」と言ってくれました。

そして、気が付いたら嗚咽して泣いていました。
僕の事情を知っていて、説明もうまくいかなかったのにそれでも次の選考に呼んでくれたことが嬉しかったのでした。まだまだ最初でしかないとは分かっていても。

-続く

いざ第一次選考へ

Time-19:33 Year-2009 投稿者:
ついに、ある企業の第一次選考を迎えることになりました。
気持ち的にとても行きたい企業です。それも男として。
その際、持っていくものに履歴書がありました。

僕はその履歴書に「戸籍は女ですが、男として働きたいです」と書いて、ネクタイしている写真を貼って、持っていきました。

第一次選考はグループワークでしたが、選考会場に入ると机に名前プレートが・・・。

女の名前を書くか、それとも男の名前を書くか。一瞬考えた末、採用担当の人に聞きました。
「本名を書かないといけないですか?」
その人はとてもびっくりした顔をして、僕も一瞬やばい!!と思いました。

「本名以外ってどういうことでしょうか」
内心ビビりまくりの僕は、「いや、通称名とかではダメです・・・よね・」というのが精一杯でした。
それを聞いて担当者さんは理解したようににっこり笑い、「うーん、すいません、では、両方書いてください」

たぶん、何か勘違いしたんだと思います。僕の説明不足がいけないんですけど。
自分の事を言う勇気がなかった。性同一性障害です、それで・・、って説明するほど勇気が無かった。悔しいけど。

そうして、僕は覚悟を決めました。ここまできたんだ、やるしかない!!
名前プレートの表に女の名前、裏に男の名前を書きました。一緒のグループになった子達はとても不思議な顔をしていました。
どういうこと?と聞いてくる子がいたので、こっちが戸籍上の名前で、こっちが社会生活的に使ってる名前なんだ。と勇気を出して言いました。

というか、もう完全に開き直っていたんですね。いつもうじうじ考えてしまう思考回路がショートしちゃったみたいです。
それからはもう、ただあるがままにワークをして、終わった後、採用担当の人に会うのもこれで最後だなって思って、扉の前で「ありがとうございました」と深々とお辞儀をして、帰りました。

帰りの電車を待つホームで、ちゃんと説明できなかった自分が情けなくて、それにちゃんとワークをしても性別できっと自分は落とされてしまうに違いないって思ってしまって、悔しくて、悲しくて、気が付いたら泣いていました。
電車の窓に映る疲れた顔から、ポロポロ涙が出ていました。
こうして僕の初めての一次選考が終わりました。
 
 -続く

声が出せない

Time-19:30 Year-2009 投稿者:
色んな人の協力と励ましのおかげで、こうしてちょっと秘密の就職活動を続けることができています。
でも、僕の心はとても弱いのだと、ある会社の就活セミナーに参加して思い知らされたことがありました。その時の話をします。

その日参加したセミナーは、女性が社長のベンチャー企業で、女性の社会進出を応援するような「女性のための女性による・・・」みたいな感じの企業でした。

会社に行くと、まず受付のお姉さんが若くて美人でビビりまくり、案内された部屋では学生が女の子ばかりでさらにビビりまくり、隣に座った子と会話をしなければならなくなって僕の頭はまたもやパニック!!

隣の女の子は僕のことを男と思っている模様。
だからまたもや、声が出せない!!でも、会話しないと・・・。
でも、声を聞かれたら男じゃないって思われてしまう!

僕はただ、うなずくしかできませんでした。ほんの少し話しただけ。
声が出ない。というか、出せない。怖い。ばれるのが、その子の視線が、怖い。
みんなからどう思われるのか、気になって怖い。

僕はそのセミナーの帰り道、自分の情けなさに悲しくて、悔しくて...
本当に情けなくて、抜け殻のような気持ちで電車から移る景色をボーっと見ていました。

秘密のスーツ

Time- 4:42 Year-2009 投稿者:gidmedia

男として就活することを家族には秘密にすると決めてから、今度はそれを可能にするための準備を始めなければいけませんでした。
家からメンズスーツを着ていけないのなら、誰も知らないスーツを買っておかなければいけません。
スーツだけじゃない、就活道具一式を揃えなければ・・。そしてそれを置いておく場所が必要になりました。

大学の女の子の友達で、一人暮らしをしていてとても信頼している子がいたので、その子にスーツとネクタイを臨時に置かせてもらいつつ、GIDmediaの二ノ宮さんにお願いし、自宅に置かせてもらうことができました。本当に感謝しています。

その反面、誰かに迷惑をかけて就職活動しなければならない自分が情けなくて嫌にもなりました。
人に甘えるのが苦手なので、すごく自分が許せなかったりもしました。
けど、それ以外に方法はないし、いい結果を残す、そして自分が頑張ることで精一杯応えようと思っています。

さて、スーツを買いに行ったときのこと。
お店の人は俺を女と知ってか知らずか、それでも案内してくれたのはメンズスーツでした。
そのときさすがに身長、さば読んじゃいました。身長低いって男としてなかなかハンデですよね。

そしていざ購入・・・名前と住所を書かないといけない!けど本当のことは書けない!
本当の住所を書いたら親にばれちゃうし、メンズスーツ買いに行っているのに女の名前なんて書けない!
さーパニックになりました!震える手で、財布を探り・・・何か代わりに使える住所はないか・・・本当に手が震えました。汗だくでした。

そして、たまたま近所の皮膚科の診察券があったのでその住所をちょっといじったものを書きました。
あの時はちょっと罪悪感とドラマのような非現実的な感じがしました。
お金もあっという間に無くなってしまいました(笑)。

嘘をついても

Time- 4:39 Year-2009 投稿者:gidmedia

僕は、自分に正直に生きようと思ってから、本当に良い出会いをしていると思います。
まるで、それが僕の選ぶ道だからなんだって、思ってしまうくらいに。

その出会いの中で、ひとり、お姉さんみたいな存在の人と出会いました。
こうしてやる気を失い、切羽詰った僕は、そのお姉さんに相談することにしました。

その人は仕事で大変な中、わざわざ僕に会ってくれました。
そして僕はその人の前で泣きました。情けないほどに。
いつも優しいその人は、そのとき僕に厳しく言いました。

「それは分かっていたことでしょ?前から秘密にして就職するつもりだったんでしょ?状況は何も変わってないよ。状況は別に悪くなったわけじゃないでしょ」

「どっちにしても家族に嘘をつくことになるけど、突っ走って家族を直に壊してしまうより、嘘をついたとしても家族を思うからであるなら、そっちの方がいいんじゃないかな?」

僕は甘えん坊です。情けないです。
でも、この時厳しく言ってもらえたからこそ、僕は再び自らに誓いをしたのです。
「嘘をつこう、でもそれは家族を守るためだ、そうまでもしても、僕は諦めない、僕は諦めない」って。改めて。
僕は再び就職活動をやる気になりました。

-続く

やる気が絶望に

Time- 1:43 Year-2009 投稿者:gidmedia
そんな感じで、やるぞって意気込んでいた矢先、僕は家族と衝突してしまいました。

僕は一度、春先に家族と就職のことで意見が対立してしまってから、家族とは就活のことは全く話題にしていませんでした。
 (僕の家族は父、母、兄1人の、4人家族です。そして、僕のことを知っているのは父親以外。父親にはどうしてもまだ言えていない状況です。父親はとても厳しく、恐い人なので、いつか、僕が対等に付き合えるくらいになったら、話そうと思っています。)

とはいっても母親はやはり就職のことが気になっていたらしく、体調が悪かったのも重なって、ある日大爆発してしまいました。
この家を出るまでは女でいろ、それが母親の出した答えだったのです。

分かるけど、分からない。それが僕の気持ちです。
母親が心配して言ってくれているのは分かります。感謝もしています。
安心させてあげたいという気持ちもあります。
でも、女で生きるなんて、考えると胸の辺りが痛い。
この痛みをずっと我慢するなんて、そんなの生きている意味なんてない!そういう気持ちも強く、強く湧き上がっていました。

どうして分かってくれないんだ!叫びたい気持ちでした。
でも、それはわがままだと思いました。これ以上母親を傷付けたくない。

僕はその話し合いのときに、女で就職活動をすると約束しました。
そしてその晩、真っ暗の部屋で、僕は独りぼっちの寂しさが本当に、本当に怖くて、眠ることもできず、ずっと、ずっと泣いていました。
今までのやる気はもうなくなっていました。
何もやる気が起きない状態がそれから続きました。
 
-続く

初セミナー

Time- 3:07 Year-2009 投稿者:gidmedia
初めてのセミナーに参加することになりました!それもどちらかというと大手の!!

しかし!実は僕はホント方向音痴で・・・
都内のセミナーに参加してるんですが、「会場のビルなんて駅の出口から出た所のでっかいビルだからすぐ見つかるでしょ」って思っていたら、四方八方でっかいビル・・・迷いに迷って開始5分前!!

工事のおじちゃんに聞いて時間ぴったりに会場に到着するという痛い洗礼を受けたのでした。
男とか女とかの前にちゃんと時間を守らなきゃいけないのは当たり前ですからね。
でもおかげで緊張はしないで済みました。

その日の服装は、メンズスーツに水色ネクタイでした。
同じテーブルの席には男が3人、女が2人いました。
まわりはどうやら僕を男と思ってくれている、、、っぽい!!

それってすごく嬉しいんです。
けど、すごく怖くもあります。なぜなら、ばれるからです。

僕は、外見はどっちかっていうと男っぽいので、喋らなければ大体は男で通せます。
けど、やっぱり声は高い。声で何度もばれました。
友達も声で「女の子かな?」って思うんだって言ってましたから。

せっかくみんな男として僕を見てくれているのに、ばれる!ばれる!どうしよう・・・。

こういうとき、僕は結構頭真っ白になります。
けど、グループワークですからみんなで話さないといけない。
意識して低めに話し始めたつもりです。
きっととても愚かでしょうけど、そんなことで体力のほとんどを使っていました。
いつもこんな感じです。

気にしても仕方ない、そんな小さなことよりも、もっとやることがあるじゃないか!!
と、頭では分かってはいるけど、やっぱりどこかで気にしてしまうんですね。

さて、本日のセミナーはグループワークをするもので、僕のグループは結構頭のいい子?が多かったらしく、グループデスカッションの時間は男が議論をバンバンしていました。
僕もそういう時は率先して参加する方なんで、後半くらいから声を低くするのも疎かに色々議論に参加しました。

その時、正面に座っていた女の子があんまり話さないので僕がふとその子に話題を振ってみたんです。
そしたらその子、ものすごく緊張してたんです。
目が真っ赤になっていて、僕はそんな彼女の表情をみたときに、頑張っているのは僕だけじゃないんだなって、僕も就職不安で、怖くて、逃げたくて、でもやらなきゃ、って思ってここにいるけど、この子もきっと不安で、怖いって思ったりするだろうし、それでも頑張ってここにいるんだなって思ったら、「よし!僕だけじゃない!頑張ろう」って思えました。そんなセミナーでした。

-続く

それから

Time- 1:14 Year-2009 投稿者:gidmedia
初のネクタイデビューをしてから一旦就職活動は中止にして、資格の勉強をしました。
なぜ資格の勉強をしたのかというと、もし就職先が見つからなかったら、その資格を持っていれば独立できるって信じていましたし、法律を勉強して僕みたいな法的に主流じゃない?立場にいるような人達の、法を上手く活用することで力になれたら、って思ったからでした。
猛勉強をして、試験を終え(結果はダメでしたが)、再び就職活動を本腰入れて始めることになったのは11月に入ってからでした。

二度目の合同企業説明会にはメンズスーツにネクタイなしで行きました。
ネクタイをしなかったのは、色々なパターンを試してみようと思ったからです。
一回きりの就職活動ですから、後々やり残したことのないように、周りの反応とか様子見したかったんです。
周りにはどう思われたのでしょう。
メンズスーツなのはバレバレで、でもネクタイしてないって怪しいだろうな。

会場で「どう思われているのかな」ばかり気にして
「やっぱ変なやつだって思われてる?」
「あっあの人いったん見て俺のこと無視した・・やっぱ俺じゃダメなのかも」
そんなことを頭の中で何度も何度も思いました。
他の子がとても大きく見えて。逆にどんどん自分は小さくなって。

それでもちゃんとブースに行かないと!って逃げそうな自分を奮い立たせて、その日は3ブース回りました。
人事の人の態度は別にどうも変化ありませんでした。(僕の感じた限りですが)
ただ帰るときに、名前を書いたシートを渡すのですが、そのときはすごく緊張しました。
だって「自分は女です」って書いてあるようなものだったから。

自分自身としては男として人事の人に見られていて欲しくて、けど名前見たらどんな反応するか不安で。
逆に何の反応もなかったら、女として見られてたのかなって、それはそれでがっかりで。
とにかく、帰るときだけはすっごくドギマギして、その日、緊張疲れで帰りの電車の中では抜け殻みたいになっていました。

それから就職サイトに登録して、とにかく色んな企業にエントリーしました。
エントリーの登録内容は?はい、女にしておきました、一応。名前も本名です。
そうしたのは、だってそれも事実だから。

企業への登録は、法的にどうかは分かりませんが、ちゃんと正式な内容じゃないといけないとも思いましたし。
どんなにイラだっても、その名前が戸籍に載っている正式な名前で、性別もそっちで登録されているわけで、大学での書類にも、女で行っているわけで、自分で考えた通称名も、生きたい性別もまだ、書類上では存在していないわけで。
だから、「事実」を登録しています。

それに、今こうだとしても、その後いくらでも言うチャンスはあると思いましたから。
面接のときとか、履歴書のときとか、その時に言う方法で行こうと思っているんです。
ちょっとずるいかなって思うんですけどね。
企業の人には、「女」だと思って呼んだら「男」で働きたい奴がやって来たって何か迷惑かなって、でもそんなことまで考えたらキリがないんですけどね。

-続く

はじめの一歩

Time- 5:01 Year-2009 投稿者:gidmedia
学校で少しずつカミングアウトをしながら、男として、自分の気持ちに正直に生活し始めた大学3年目、やっぱり気になるのはこれからの就職活動。

これだけ学校で自分らしく楽しく生活できていてもそれは学校内だけのこと、社会に出たら結局また女を演じなければいけないんだ、僕は最初諦めてました。
どーせ、分かってくれない。こんな人間雇ってくれるわけない。
一度も挑戦したことはないけど、そんなことやらなくても分かるよと思っていました。
周りの人にも自分に言い聞かせるようにそう伝えていました。

しかし、自分の気持ちに気付いてしまった心はどこか諦めきれずにいました。
確かに社会は甘くはない、失敗したら後戻りできない・・・。
けど、けど、女の子のスーツを着て働く自分を全く想像することなんて出来ませんでした。

そんなモヤモヤした気持ちを抱えていたある日、合同説明会が都内で開催されることを知りました。
幸か不幸か僕は男のスーツも女のスーツも両方持っていました。
僕は悩みました。どっちのスーツを着たら良いのだろう?

頭では無難に女のスーツを着たら、とは思うのですがどうしても着たくなかった。
心は男のスーツを選んでいたんです、けど踏み出す勇気がなかなかなかったんです。
僕はずっと悩みました。そして僕は就活の先輩として、わらをも掴む思いでGIDmediaのニノ宮さんに連絡しました。

ニノ宮さんとはGIDmediaの交流会で1度お会いしていたものの、それまでほとんど連絡したことはありませんでしたが、そんな僕の話をニノ宮さんは聞いてくれました。
僕はその時泣きました・・・苦しかった、けど心には諦めてない自分がいることを話しながら発見しました。

結局、その合同説明会に僕は男のスーツに黒のネクタイを締めて行きました。
会場で配られる資料には一発で女と分かる本名を書いて。
最初に入ったブースでは、僕は記憶がなくなるくらい緊張したのを覚えています。
人事の人が名前と僕の姿を交互に見ながら焦っているのを感じとってビビりまくりました。
顔では精一杯笑顔を作っていましたが、内心では何故か謝り続ける自分がいました。ややこしくてごめんなさい!!

その日、何度も逃げたくなりました。
だけどもらった企業へのシートがちょうど5枚あったので、このシートがなくなるまで帰らない、と自分に言い聞かせて僕は5社回りました。
無反応の会社の方が多かった。それがその日の感想でした。
門前払いをされたり、軽蔑した目で見られなかったことに正直僕は驚きました。

-続く